お花の楽しみ方はいろいろありますが、生花は必ずお水が必要です。
枯らさずに切り花の命を長く楽しむためには、器に合った方法、デザインに合った方法を選びたいものですね。
ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。いけばなでは、「花留を使う方法」「花瓶を使う方法」、フラワーアレンジメントでは「オアシスを使う方法」があります。
花留の道具を使う方法
平面の花器では、剣山や七宝を使います。
・剣山
剣山は、たくさんの針がついた道具です。枝をしっかりと挿すことで、角度をつけて安定させることもできます。針の隙間より細いものは挿しにくいですが、軸を折り曲げる、数本を束にする、空洞の茎に差し込むなどの工夫をすることで固定できます。
太くて硬い枝の場合は、半分や十字に割りを入れることで、挿しやすくなります。
金属製のもの、プラスチック製のものがあります。
金属製のものは、重みもあり、長さのあるものや太いものも固定しやすいです。さびや折れに注意して大切に使えば、長く愛用することができます。折れ曲がってしまっても、元に戻す道具もあります。裏面にゴムがついているものもあります。は、器に傷がつきにくく、滑りにくいので使いやすいです。
プラスチック製のものは安価ですが、木の枝など硬い花材では折れてしまうこともあります。ガラスなど透明感のある器との相性はよいです。
大きさや形は様々です。小原流では、長方形、三角形(イチョウ型)、扇形を使います。
・七宝
七宝は、穴の開いた金属です。穴の部分に挿しこむことで、枝を固定することができます。短い枝を添えて太さや角度を調整することで、角度をつけることもできます。入れたい向きや角度に応じて、どの穴を使うといいかを決めます。小原流の様式では、どの穴を使うかも決まっている生け方もあります。
丸が2つのもの、3つのもの、大小があり、花材や作品の大きさによって使い分けます。
花瓶を使う方法
縦に長い花瓶を使う場合は、剣山は使いません。花束のようにまとまったものをそのまま入れるのは簡単です。
しかし、盛花のように自由に方向や角度を調整するためには、留め方のテクニックが必要です。枝を折る、留め木を使う、などの工夫をして、回転しないように固定します。基本的には、3点が花瓶の口や内側に接していれば回転しません。
小さな一輪挿しであれば、口の狭いものの方が素敵に仕上げやすいですが、器の中が洗いにくくなります。口が広いものは、留めるテクニックが必要になります。
また、ガラスなど透明な花瓶を使う場合は、水中の茎が見えるため、美しさを損なわないような工夫も配慮すると良いでしょう。
オアシスを使う方法
フラワーアレンジメントでは、オアシスを使います。緑色の硬めのスポンジで、挿したい角度でぐっと差し込むことで、花を固定することができます。
事前にたっぷりの水に浸して吸水しておくことで、水が落ちることなく花を楽しめます。包丁やナイフなどで簡単にカットすることができるため、器や作りたい形に合わせて成型することができます。
一度穴が開くと戻らないため、何度も挿しなおすことはできません。
剣山や七宝のように繰り返し使えませんので、1作品ごとに使い捨てになります。
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